- 採用ペルソナを先に決めると費用対効果が上がる
- 社員の本音を動画で見せると応募質が変わる
- 広告費は絞るほど効果が出ることがある
「求人媒体に毎月50万円、それでも応募ゼロ」——あなたの会社も同じですか?
先日、兵庫県内の製造業を営む経営者(従業員32名)からこんな相談を受けました。
「Indeed・doda・ハローワーク、全部に出稿している。毎月50万円以上かけているのに、応募はほぼゼロ。来ても1次面接で辞退される。もう何をすればいいのかわからない」
この言葉、どこかで聞いたことがありませんか?
あるいは、今まさにご自身がこの状況ではないですか。
実はこれ、日本中の中小企業経営者が直面している「採用の構造的な問題」です。
求人媒体に費用をかけるほど疲弊し、採用できないほど会社が傷んでいく——そんな悪循環に入り込んでいる経営者が、今この瞬間も全国に無数にいます。
この記事では、採用広告費を月50万円から25万円に半減させながら、月間応募数を4件から11件に増やした実際の事例をベースに、その具体的な手順をお伝えします。
なぜ「お金をかけるほど採用できない」のか
求人媒体への依存が生む「負のスパイラル」
2025年の厚生労働省調査によれば、中小企業(従業員100名未満)の求人充足率はわずか53.4%。つまり、半数近くの中小企業が「人を採りたくても採れない」状態にあります。
その一方で、求人広告市場への支出は増え続けています。
IndeedやdodaなどのWEB求人媒体の競争入札型広告は、競合が増えるほど単価が上昇する仕組みです。
2023年比で、製造業・介護・物流分野の求人クリック単価は平均で約1.4倍に上昇しているというデータもあります。
つまり、「同じ費用でも昨年より少ない人にしかリーチできない」という構造になっているのです。
これは経営者のせいではありません。ルールそのものが変わってしまっているのです。
世界的な「採用コスト高騰」の背景
この問題は日本だけではありません。
米国のSHRM(人材管理協会)の2024年報告によると、1名採用にかかる平均コストは4,700ドル(約70万円)を超えたと報告されています。
グローバルで起きている少子化・人口減少・デジタルスキル不足の三重苦が、採用難を構造化しています。
日本の中小企業がその直撃を受けているのが、2026年現在の現実です。
だからこそ、「広告費をかけ続ける戦い」から抜け出すことが、採用成功の最短ルートになります。
【実例】従業員32名の製造業が採用を立て直した「3ステップ」
先ほどの経営者(以下、Aさん)との相談から始まった取り組みを、具体的にお伝えします。
取り組み開始から約4ヶ月で、月間応募数が4件→11件、採用コストが月50万円→25万円になりました。
STEP1:「何を発信するか」より「誰に届けるか」を先に決める
Aさんの会社が最初に取り組んだのは、採用媒体の見直しではありませんでした。
「自社にとって理想の人物像(採用ペルソナ)の明文化」です。
「30代、未経験可、地元在住、安定志向」——これではターゲットになりません。
Aさんと一緒に作った採用ペルソナはこうです。
- 25〜38歳、地元(神戸近郊)育ちで地元に定住したい
- 工場・ものづくりに興味があるが、資格や経験はない
- 「給料は平均でいい、でも人間関係がいい職場で長く働きたい」という価値観
- SNS(Instagram・YouTube)で転職情報を収集する習慣あり
このペルソナを作った瞬間、Aさんは「今まで誰にも刺さらない求人原稿を書いていた」と気づきました。
STEP2:「求人原稿」より「会社の空気」を見せる
ペルソナが決まったら、次は発信内容の転換です。
Aさんが行ったのは「採用動画の制作」と「社員インタビューコンテンツの発信」でした。
具体的には以下の3つです。
- 会社紹介動画(2分):工場内の風景、社員の笑顔、社長の一言メッセージを収録
- 社員インタビュー動画(90秒×3本):「入社前の不安」「入社後の本音」「会社のここが好き」をリアルに語ってもらう
- 求人ページのリライト:「未経験可・昇給あり」の羅列から「こんな一日を過ごします」というリアルな1日体験談に変更
これらのコンテンツを、IndeedとInstagramの採用アカウントに展開しました。
特に効果が高かったのが社員インタビュー動画です。
「働いている人の顔が見える」「社長が怖そうじゃない」「現場の雰囲気がわかる」——この3点が、応募者アンケートで繰り返し挙がりました。
STEP3:広告費の「選択と集中」で費用を半分に
コンテンツが整った段階で、Aさんは求人媒体の出稿を見直しました。
以前は「どこかにいるかもしれないから全部に出す」という発想でした。
しかし採用ペルソナが明確になったことで、「このペルソナが見ている媒体に絞る」という判断ができるようになりました。
結果として、doda・マイナビは停止。
Indeedのみ継続しつつ、Instagram採用アカウントへのリール動画発信と、地元のタウン誌への小枠掲載に振り替えました。
媒体費の合計は月50万円→25万円(▲50%)。
その4ヶ月後の月間応募数は4件→11件(+175%)。
さらに、採用後の早期離職率も改善し始めています(入社3ヶ月後の在籍率が73%→91%)。
「動画なんてうちの会社には関係ない」と思っている経営者へ
「うちは小さい会社だし、動画なんて大企業のやること」——そう思っている経営者が多いのは知っています。
でも、逆です。小さい会社だからこそ、動画が効く。
大企業には「知名度」という武器があります。社名を見ただけで安心感が生まれる。
しかし中小企業には知名度がない。だからこそ、「会社の中を見せる」ことが最大の差別化になります。
一般に、採用動画を導入した中小企業の約60〜70%が「応募数の改善」を実感しているとも言われています(採用動画制作会社各社の導入事例より)。
スマートフォン1台で撮影した社員インタビュー動画でも、「会社の温度感」は十分に伝わります。
完璧なクオリティより、リアルさと誠実さのほうが若い求職者には響くのです。
明日から始められる「採用ブランディング」5つのアクション
難しく考える必要はありません。明日から動けることをリストにしました。
- 採用ペルソナを1枚の紙に書き出す:年齢・価値観・情報収集手段・転職理由を具体的に書く
- 社員に「なぜここで働いているか」を聞いてみる:その言葉が最強の採用コピーになる
- 求人ページの冒頭を「1日の仕事の流れ」に書き換える:「仕事内容:製造全般」ではなく「朝8時、工場に着いてまずすること」から始める
- 現場の写真を撮って求人ページに追加する:笑顔の社員・きれいな工場・ランチの風景——これだけで印象が変わる
- 応募者アンケートを設計する:「どこでうちの求人を知りましたか?」「何が応募の決め手でしたか?」を聞くだけで、次の改善が見えてくる
どれも今日の夕方から動けることです。
まず1つだけ試してみてください。
「採用が変わると、会社が変わる」——経営者の本音
Aさんはこう言いました。
「採用がうまくいくようになってから、既存の社員のモチベーションも上がった気がする。会社として選ばれているという実感が、外だけじゃなくて中にも伝わるんですよね」
採用ブランディングは、外向けの活動に見えます。
でも実は、「自分たちの会社の価値を言語化する作業」でもあります。
その過程で、経営者自身が「うちの会社には、こんなに伝えるべきことがあったのか」と気づくことが多い。
それが社内の誇りになり、離職率の低下にもつながっていくのです。
採用難は、見方を変えれば「自社のブランドを見直す最大のチャンス」でもあります。
採用に悩む経営者の方へ——一人で抱え込まないでください
採用は、経営の中でも特に「孤独な悩み」だと思います。
社員には言えない、取引先にも相談しにくい。気づけば一人で深夜まで求人原稿と格闘している——そんな経営者をたくさん見てきました。
でも、採用課題は会社ごとに事情が全く違います。
業種・地域・会社の規模・経営者のキャラクター・社内文化——これらが重なって初めて「その会社だけの採用戦略」が生まれます。
今回ご紹介したような映像・コンテンツ・採用ブランディングを一気通貫で支援する企業に相談すると、「どこから手をつければいいか」が驚くほど早く整理されます。
実はSOAも、まったく同じ思想で採用ブランディングの支援をしています。
「うちの会社で応募が来ない本当の理由を知りたい」
「求人原稿を見てもらいたい」
「採用動画って実際いくらかかるの?」
どんな小さな疑問でも構いません。SOAでは、採用に悩む経営者の方の相談を無料で受け付けています。
神戸・愛媛を拠点に、地方の中小企業の採用ブランディングに向き合ってきたチームが、一緒に考えます。
一人で抱え込まず、まず話を聞かせてください。