- Z世代は給与より「成長・意義」で選ぶ
- 求人票をストーリーに変えると応募が増える
- 社員の本音コンテンツが最強の採用ツール
先日、愛媛で食品加工業を営む経営者からこんな相談を受けました。
「求人を出すたびに、給与や休日の条件を改善してきた。でも若手の応募は増えるどころか、むしろ減っている気がする。何が間違っているんだろう?」
この言葉、聞いたことがある経営者も多いのではないでしょうか。
実は「条件を良くすれば来てくれる」という発想こそが、Z世代(1996〜2012年生まれ)に届かない最大の原因かもしれません。今回はその背景と、実際に効果が出た「Z世代に刺さる採用メッセージの作り方」を5つのステップでお伝えします。
そもそも、今の採用環境はどれほど厳しいのか
肌感覚で「採用が難しくなった」と感じている経営者は多いと思いますが、数字で見るとその深刻さがよくわかります。
2025年の有効求人倍率は1.25倍前後で推移しており(厚生労働省)、特に製造・小売・介護・飲食などの現場職では2倍を超えるケースも珍しくありません。つまり、求職者1人に対して2社以上が奪い合っている状態です。
さらに、2024年問題(物流・建設の時間外労働規制)以降、中小企業の採用難は一段と加速しています。大手企業が「働き方改革」を前面に打ち出す中、中小企業は条件面でどうしても見劣りしてしまう。
そんな環境の中で戦う中小企業経営者が、条件だけで勝負しようとしても消耗戦になるのは明らかです。
Z世代が「条件より大切にすること」とは何か
Z世代は「意味」で動く世代
マイナビが2025年に発表した調査によると、Z世代の就職活動において「企業選びで最も重視すること」の上位3位は次の通りです。
- 1位:仕事を通じた成長・スキルアップ(62.3%)
- 2位:会社のビジョン・社会的意義への共感(54.1%)
- 3位:給与・待遇(51.8%)
給与は3位に入っていますが、「成長できるか」「この会社の仕事に意味があるか」が上回っています。Z世代は幼少期からSNSで多様な価値観に触れ、「自分の時間とエネルギーをどこに使うか」を非常に意識的に選んでいます。
つまり採用メッセージに必要なのは、「うちは給与が高い」ではなく「うちで働くとあなたはこう成長できる」という未来の物語なのです。
Z世代は「リアル」に敏感
もう一つ見落とせないのが、Z世代の「本物志向」です。
彼らはYouTubeやTikTokで企業の裏側を見慣れており、きれいに整えられた採用ページより、社員が普通に話している動画のほうを信頼します。「この会社、良いことしか書いていない」と感じた瞬間、ページを閉じてしまう。
採用担当者が台本を読んでいるような採用動画は逆効果にすらなりえます。「等身大のリアル」こそが、Z世代の信頼を勝ち取る最大の武器です。
Z世代に刺さる採用メッセージを作る5ステップ
ステップ1:「うちの会社、なぜ存在するのか」を言語化する
多くの中小企業の求人を見ると、「私たちは◯◯を製造・販売しています」という説明で終わっています。しかしZ世代が知りたいのは「それが世の中や人々にとってどんな意味を持つのか」です。
たとえば神戸の機械部品メーカーが「私たちの部品は、病院の医療機器を動かしています」と伝えるだけで、採用メッセージの重みはまったく変わります。
自社の事業が「誰の、どんな困りごとを、どう解決しているか」を3行で書いてみてください。これがすべての採用メッセージの土台になります。
ステップ2:「入社後3年でどう成長できるか」を具体的に描く
「やりがいのある仕事です」「成長できる環境です」という抽象的な言葉は、Z世代にはほぼ届きません。
必要なのは、入社1年目・3年目・5年目に何を担当し、どんなスキルが身につくかの具体的な道筋です。
- 入社1年目:現場OJTで製造工程の全体を把握。先輩と2人で担当エリアを持つ
- 入社3年目:担当ラインのリーダー候補。社外研修(費用全額補助)への参加資格
- 入社5年目:マネジメント職か専門技術職かを本人の希望で選択できる
このように「未来の自分像」が見えることで、Z世代は「この会社なら自分の時間を使う価値がある」と判断します。
ステップ3:「社員の本音」をコンテンツ化する
Z世代が採用ページを見た後に必ずすること、それが「社員の口コミ・SNS・動画の確認」です。
OpenWorkやGoogleレビュー、X(旧Twitter)で社名を検索し、「本当のことが書いてあるか」をチェックします。ここで採用ページと口コミの内容が乖離していると、信頼は一気に失われます。
逆に言えば、会社側から先に「社員の本音」をコンテンツとして発信できれば、それが最大の差別化になります。
具体的には、
- 社員インタビュー動画(1分〜3分、スマホ撮影でも可)
- 「入社前と入社後のギャップ」をテーマにした社員インタビュー記事
- 会社の日常をInstagramやTikTokで発信する「採用アカウント」
こうしたコンテンツが「採用ブランディング」の実体です。難しく考える必要はありません。社員に正直に話してもらい、それをそのまま見せるだけでいい。
ステップ4:「求人票」ではなく「ストーリー」で語る
先ほどご紹介した愛媛の食品加工業の経営者は、SOAと一緒に採用ページをリニューアルしました。変えたのは一つだけ。
スペック中心の求人票を、「なぜこの仕事を続けているか」を語る社員の物語に置き換えたのです。
「最初は単純作業だと思っていた。でも3年働いて気づいたのは、自分が作ったものが県内のスーパー全店に並んでいるということ。家族が買ってきた商品を見たとき、この仕事を続けてよかったと思った。」(入社4年目・製造スタッフ)
この一文を採用ページのトップに置いただけで、応募者数は掲載から3ヶ月で約2.4倍に増加しました。条件は一切変えていません。
Z世代は「数字」より「物語」に動きます。求人票の書き方そのものを見直してみてください。
ステップ5:「働く環境のリアル」を映像・写真で伝える
文字だけの採用ページと、写真・動画が豊富な採用ページでは、応募率に最大5倍以上の差が出るというデータがあります(Indeed調査、2023年)。
Z世代はビジュアルで情報を処理する世代です。職場の雰囲気、社員の表情、働いている空間の様子が「1秒で伝わる」写真と動画があるだけで、採用力は大きく変わります。
高価な動画制作は必要ありません。まず社長がスマホで職場を歩きながら撮影した1分動画でも、「この会社の空気感」は十分に伝わります。大切なのは「完成度」より「リアリティ」です。
それでも「どこから手をつければいいかわからない」という経営者へ
ここまで5つのステップをお伝えしましたが、「やることはわかった。でも日常業務に追われてそれどころじゃない」というのが正直なところではないでしょうか。
それは当然です。採用メッセージの見直し、求人ページのリライト、社員インタビューの撮影・編集…。どれも、専門的なノウハウと時間がかかる作業です。
実は、こうした採用課題を「映像・Web・コピー・ブランディング」を一気通貫で解決できる会社に相談すると、経営者自身が手を動かさなくても採用コンテンツが整っていくケースが多いです。採用ページ・社員インタビュー動画・求人原稿を連動させることで、Z世代に一貫したメッセージが届くようになります。
SOAでも同じ思想で、中小企業の採用ブランディングを支援しています。
まとめ:Z世代採用で明日からできること
- 自社の「存在意義」を3行で書き出す(ミッション・社会的意義の言語化)
- 入社後のキャリアパスを具体的な年次で示す(成長の道筋を可視化)
- 社員に「入社前後のギャップ」を話してもらう(本音コンテンツが最強)
- 求人票をストーリー仕立てに書き直す(スペックより物語)
- スマホで職場の写真・動画を撮り、採用ページに載せる(リアリティが信頼を生む)
Z世代に響く採用メッセージは、特別なスキルがなくても作れます。必要なのは「自社をちゃんと言葉にしようとする意志」だけです。
採用に悩んでいる経営者の方へ。「何が問題かもわからない」「どこから手をつければいいか」そんな段階でも、一人で抱え込まず、まず話を聞かせてください。
SOAでは神戸・愛媛を拠点に、採用ブランディングの無料相談を承っています。会社の規模や業種を問わず、「うちの会社らしい採用メッセージ」を一緒に考えます。経営者の伴走者として、正直にアドバイスします。
興味があればSOAのサービスページをご覧ください。