- 台本は課題→原因→解決→行動の4ステップで設計する
- 機能説明より使った後の変化を伝える
- 行動喚起は1本につき1種類に絞る
商品・サービス紹介動画を作ったのに問い合わせが来ない。その理由は映像の品質ではなく、台本の設計ミスにあることがほとんどです。結論を先に言うと、「誰の、どの悩みを、どの順番で解消するか」を台本に落とし込めば、同じ予算・同じ尺でも動画の成果は変わります。今日できる一手は、既存の台本(または構成メモ)を開き、この記事のチェックリストと照合することです。
なぜ「いい動画」なのに問い合わせが来ないのか
映像のクオリティと成果は、直線的には結びつかない。多くの場合、制作側が「見せたいもの」と、視聴者が「知りたいこと」がズレているのが原因です。
たとえば製造業の部品メーカーが工場の設備をきれいに映した動画を作ったとします。映像は美しい。しかし視聴者である調達担当者が知りたいのは「納期対応力」と「品質保証の体制」です。台本がその順番で答えていなければ、動画を最後まで見てもらえません。
成果が出ない動画に共通するのは、「自社の紹介」から始まることです。視聴者は自社の歴史や受賞歴に興味があるのではなく、自分の課題が解決できるかどうかを知りたいのです。
成果が出る台本の骨格:4ステップ構造
商品・サービス紹介動画の台本は、次の4ステップで組み立てると机上の構成が崩れにくくなります。
- 課題提示(Problem):視聴者が今まさに抱えている悩みを言語化する。「こんなことで困っていませんか」の問いかけ。
- 原因の明示(Cause):その課題がなぜ起きているかを1文で説明する。ここで視聴者は「この動画は自分のことを分かっている」と感じる。
- 解決策の提示(Solution):自社の商品・サービスがどう解決するかを、機能ではなく「効果」で伝える。
- 行動喚起(Action):次に何をすればいいかを明示する。「詳細はこちら」「まずは無料相談」など、一つに絞る。
この構造はPASA(Problem→Agitation→Solution→Action)の変形ですが、BtoB向けには「不安を煽るAgitation」を省き、課題の原因を論理的に説明するCause(原因)に置き換えるほうが誠実かつ効果的です。
各パートで「書くべきこと」と「削るべきこと」
課題提示パート
視聴者の悩みは、できるだけ具体的な言葉で書く。「業務効率化に悩む方へ」は抽象的すぎます。「見積書の作成に毎回2時間かかっている方へ」のように、行動レベルまで落とすと視聴者が「自分のことだ」と感じます。
解決策パートで削るべきもの
機能の列挙は削減対象の第一候補です。「〇〇機能搭載」「業界最多の△△点」といった表現は、視聴者にとって「だから自分にどんないいことがあるの?」という疑問しか生みません。機能の説明はFAQや資料に任せ、動画では「使った後の状態」を映像と言葉で伝えることに集中します。
行動喚起パートは一つに絞る
「資料請求はこちら、お問い合わせはこちら、SNSもフォローしてね」と複数の選択肢を並べると、視聴者はどれも選ばなくなります。動画1本につきCTAは1種類。ターゲットが「まだ比較検討中」なら資料請求を、「今すぐ相談したい層」なら問い合わせフォームを選ぶ、という判断を先に決めておきます。
台本設計の前に決める3つの前提
台本を書く前に固めておかないと、後から構成が崩れる要素が3つあります。
- ターゲットの解像度:「中小企業の経営者」ではなく「従業員30名以下の製造業で、採用と定着に課題を感じている社長」のように職種・規模・課題を絞る。
- 視聴環境:WebサイトのTOPに埋め込むのか、展示会のブースで流すのか、SNS広告で配信するのか。環境によって適切な尺と冒頭3秒の設計が変わる。
- 動画の「役割」:認知を広げるのか、検討を後押しするのか、問い合わせを増やすのか。一本の動画に複数の役割を持たせようとすると、どれも中途半端になる。
今日すぐ使える:台本設計チェックリスト
既存の台本や企画書と照合してください。〇がつかない項目が、成果が出ていない原因候補です。
- □ 冒頭15秒以内に、視聴者の課題または悩みが言語化されている
- □ 自社の沿革・創業年・代表者紹介は、動画の後半または別動画に分けている
- □ 機能の説明ではなく「使った後の状態・変化」で解決策を伝えている
- □ ターゲットが「自分のことだ」と感じる具体的な言葉が少なくとも1か所ある
- □ 行動喚起(CTA)は1種類のみで、次のアクションが明確に示されている
- □ 視聴環境(Web・展示会・SNS)に合った尺で台本が設計されている
- □ 動画1本が担う「役割」(認知・検討・問い合わせ)が一つに絞られている
まとめ
商品・サービス紹介動画で成果を出すための要点は3つです。
- 台本は「課題→原因→解決→行動」の4ステップで設計する。自社紹介から始めない。
- 機能ではなく「使った後の変化」を伝える。視聴者は仕様書ではなく未来の自分を見たい。
- 行動喚起は1本につき1種類に絞り、ターゲットの検討フェーズに合わせて選ぶ。
映像の品質を上げる前に、台本の設計を見直すことが最もコストパフォーマンスの高い改善策です。既存の動画台本に上記のチェックリストを当ててみると、改善ポイントが具体的に浮かび上がるはずです。「台本から見直したいが、自社ではどこに手をつければいいか分からない」という場合は、映像制作の専門チームへ相談することで、設計の抜け漏れを早期に発見できます。お気軽にご相談ください。